光と闇は別にバトルしない
初めに、神は天地を創造された。
地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を
動いていた。神は言われた。
「光あれ。」
こうして、光があった。
(旧約聖書 創世記 第一章)
さて、宇宙のはじまりはビックバンといわれる巨大爆発で
あるといわれている。
宇宙誕生の10のマイナス36乗秒後、膨大なエネルギーからX粒子と
呼ばれる素粒子と、その反粒子が多量に作られ、やがてそれらは
現在の物質で最小の素粒子であるクォークとレプトン
そしてそれらの反粒子が出来たのである。
巨大爆発からわずか10のマイナス6乗秒後には既に宇宙の温度は
急速に低下をはじめていた。その温度、1兆度。
たったのゼッ○ン1匹分だ、大したこと…あるがな。
もちろんそれ以前はそれ以上の高温であったわけだが、その時点
での宇宙には実に奇妙な現象が起こっている。
いや、その宇宙の状態を普通とするなら今の状態が奇妙なのだ。
ビッグバン発生後10のマイナス44乗秒後以前は、光はおろか全ての
力は混在であった。
それ以前は全ての力は等価であったと考えられている。
その時間にまず重力が別れ、10のマイナス35乗秒後強い力が別れ、
10のマイナス33乗秒後弱い力と電磁気力が分離したと考えられている。
宇宙を構成する物質もこの頃から構成を開始し、クォークが
構成されたのが10のマイナス33乗秒後程度であり、約一秒後には
原子核が構成されたと考えられている。
こうして宇宙を構成する物質ができた。
数十万年程度宇宙は光で満たされていたといわれている。
宇宙の膨張は続き、その温度が3000〜4000K程度まで低下した。
その結果水素やヘリウムの原子核が電子を捕られるようになり、
今まで電子にぶつかりまくっていた光が自由に空間を進めるように
なり、宇宙を遠くまで見渡せるようになったのだ。
これを「宇宙の晴れ上がり」と呼ぶ。
ある意味このときから、宇宙が光と闇に分かれたのだ。
けどこうやって、宇宙の状態を旧約聖書に照らし合わせるならばだ。
光あれと神が言われた時は何時だったんだろうか?
普通はビッグバンだと思うわけだが、ビッグバンのときは光と闇が
渾然一体の状態な訳でさ。
光と闇はお互い無縁ではない。ただ、分かれたのだ。
分かれなければいけなかったのだ。
大体光子や電磁場に満ち満ちた状態が天国とでも?
絶対温度3000K以上の灼熱地獄だぞ。
ていうか光が少ない状態が闇なだけでさ。
光がないからといって何も無いわけではない。
そしてそこにあるものが必ず悪いものであるわけでもない。
ダークマターが必ず悪いものか?
んなこと聞いたこともない。
昔の人は闇を恐れた。しかし、恐ろしいのは闇だけか?
いまや人を殺す光も作れる時代だ。
レーザーでも核でも人は死ぬし。
本当は光と闇の調和が大切なのではないか?
光と闇は果てしないバトルなんかしないし、愛と勇気だけが
友達だったらあいつらは友達じゃないのかとか、とにかく
子供向けの作品にはもう少し気をつけて欲しい。